「更級日記」を旅しよう 古典を歩く 5 都から遠い上総の国で育った少女は、父親の帰任で京へ戻ると、かねて憧れの「物語」に読みひたる。「源氏物語」の夕顔や浮舟のようになれたら、と密かな望みを持ったが、現実には地味で平凡な結婚生活と、夫の死が待っていた……。ゆかりの土地に、王朝の女心を訪ねる好読物。古典の旅シリーズ『更級日記』改題作品。 作者:杉本苑子 出版社:講談社 ジャンル: 書籍/ 文芸/ 日本文学/国文学 私家版 かげろふ日記 「私は身分違いの相手に想われ、玉の輿に乗った女である。」ーー並外れた美貌と作歌の才に恵まれた平安朝の一女性が、浮気の絶えない夫との生活から女同士の確執、一人息子への溺愛ぶりまでを赤裸々に綴る。無類に面白い千年前の記録を、大胆かつしなやかな日本語で生き生きと再現させた現代人必読の書。平安朝日記文学の傑作を、しなやかで優美な現代語で甦らせた名篇。女の人生、夫次第。古典のおもしろさ、新発見! 作者:杉本苑子 出版社:講談社 ジャンル: 書籍/ 文芸/ 小説(国内) 汚名 徳川家康に信頼され重用されて、幕府草創期に辣腕を振った能吏・本多上野介正純(こうずけのすけまさずみ)。二代秀忠の世になり、「宇都宮釣り天井事件」の嫌疑で失脚、奥州に無惨な幽閉の身となる。権力の非情と冷酷、汚名に甘んじる自己犠牲。一切を黙して配所に赴く正純の潔い人間像を、陰密の目を通して骨太に描き出す、傑作歴史長編。権力の冷酷非情に甘んじる、自己犠牲の武士道! 作者:杉本苑子 出版社:講談社 ジャンル: 書籍/ 文芸/ 歴史・時代小説 歌舞伎のダンディズム 名優たちが生み出した伊達男たち。身近に歌舞伎を楽しむ好読物……。天下一品の伊達男・花川戸助六(はなかわどのすけろく)、私情を捩じ伏せて苦しみに耐える松王丸、陽気な野生児・超能力の妖術使い・石川五右衛門、ちょっとニヒルな色悪・民谷(たみや)伊右衛門、華奢な美少年の脆いデカダンス・弁天小僧……。個性豊かな役者たちが創り上げ観客に愛されてきた、破天荒に面白いヒーロー、12人の魅力を伝える名著。大迫力、胸をうつ「男の華」。花形とはどういう男か? 作者:杉本苑子 出版社:講談社 ジャンル: 書籍/ 女性ファッション・ライフスタイル/ 演劇 江戸芙蓉堂医館 幕府奥医師の娘・半井千鶴は、「薬師如来の再来」と噂される腕っこきの漢方医。愛らしい顔立ちに似合わぬお転婆で、巷の事件に片っ端から首をつっこんでは大車輪。倒錯、妄想、恋の病いに疝気の虫まで、見事な処方でさらりと解決してしまう。御殿山のお花見、両国の花火など、四季折々の江戸の風物を背景に、娘医者が大活躍する痛快時代小説集。美人でおきゃんな娘医者の花カルテ、江戸情緒あふれる7編。 作者:杉本苑子 出版社:講談社 ジャンル: 書籍/ 文芸/ 歴史・時代小説 江戸を生きる 黄門様と今も人気のスーパーマン・徳川光圀の虚像と実像、若狭酒井藩の酷政に静かな抵抗を貫いて散った青年庄屋・松木荘左衛門、激しい業苦を抱えて俗臭と反骨に生きた葛飾北斎、華美驕奢したい三昧の好運児・将軍家斉など、鎖国泰平の300年を彩った驚くべき人々を、迫真のドキュメントタッチで描く名著。 作者:杉本苑子 出版社:講談社 ジャンル: 書籍/ 文芸/ 歴史・時代小説 元禄歳時記(上) オカラ先生の異名をとる貧乏学者・新井勘解由(白石)は、ふとした縁で姿をやつして江戸市中を微行する甲府宰相・綱豊(後の六代将軍・家宣)と友情を結ぶ。綱豊には、彼を憎む現将軍・綱吉の刺客が差しむけられ、勘解由も事件の渦中へ……。元禄期の世相を背景に、二人の青年の波乱万丈の青春を描いた、長編時代小説。 作者:杉本苑子 出版社:講談社 ジャンル: 書籍/ 文芸/ 歴史・時代小説 元禄歳時記(下) 時は元禄、賄賂が横行する金権の世。生類憐みの令に庶民は苦しみ、火事や地震が続いて世上は騒然としていた。世直しの理想に燃える若き新井白石と風雲児・綱豊の、恋あり冒険ありの大活躍を、元禄衣裳くらべ、お七火事、吉良邸討入りなど、時代をいろどる史上有名なエピソードにからめて描いた江戸元禄絵巻! 作者:杉本苑子 出版社:講談社 ジャンル: 書籍/ 文芸/ 歴史・時代小説 秋蘭という女 学問の家の神童若江薫子(わかえにおこ)は、紅白粉(べにおしろい)には見向きもしない学者に育ち、攘夷派の浪士たちと悲憤慷慨、新政府に建白書攻勢をかける。時代に逆行する情熱家は危険人物として幽閉され、晩年は失意のうちに放浪したが、その醜貌の下には、女ほんらいの、暖い心が隠されていた。幕末の女志士を描く傑作他8編を収録。 作者:杉本苑子 出版社:講談社 ジャンル: 書籍/ 文芸/ 歴史・時代小説 滝沢馬琴(上) 滝沢馬琴の苛酷な生を描く吉川英治文学賞受賞作。「南総里見八犬伝」「椿説弓張月」等で名声を得た馬琴は、保守的で狷介な性格のため人と衝突することも多く、苦しい家計と病弱な家族の煩労も、一身に負っていた。 作者:杉本苑子 出版社:講談社 ジャンル: 書籍/ 文芸/ 歴史・時代小説 滝沢馬琴(下) 生活のために書き続ける馬琴に、失明の危機が迫っていた。がんじがらめの状況で無学な嫁のお路を督励して、代筆で八犬伝を進める作家の凄絶な闘い。感動の長編。 作者:杉本苑子 出版社:講談社 ジャンル: 書籍/ 文芸/ 歴史・時代小説 風の群像(上) 小説・足利尊氏 天下取りの好機。後醍醐帝から討幕綸旨(りんじ)が下り、源氏の棟梁・足利尊氏は弟直義(ただよし)、高師直(こうのもろなお)らと旗揚げして北条氏を討った。しかし”野草の群れ”武士の暮しを守る武家政権を目指した尊氏と、親政を企む帝が対立。「土に根ざし汗にまみれた者たち」の幕府開設へ熾烈(しれつ)な戦いが始まった。好漢尊氏の魅力溢れる歴史長編。 作者:杉本苑子 出版社:講談社 ジャンル: 書籍/ 文芸/ 歴史・時代小説 風の群像(下) 小説・足利尊氏 幕府開府で戻った平穏も束の間、兄弟による二頭政治は綻(ほころ)び始めた。嫡子義詮(よしあきら)を溺愛する尊氏に芽生えた、弟と己れの落し種直冬(ただふゆ)への疑心は、足利一門の骨肉食む内乱を生んだ。燻る南朝の火種は燃え立ち、再び策謀渦まく権力興亡の世に。南北朝動乱を風のごとく駆け抜けた武士(もののふ)たちの春秋を描く、著者畢生の傑作。 作者:杉本苑子 出版社:講談社 ジャンル: 書籍/ 文芸/ 歴史・時代小説 悲劇の風雲児 木曽の山谷が育てた天性の武人、義仲の31年の生涯。源家の御曹司として平家打倒の兵を挙げ京へ乱入、敗れた平氏は都を捨てる。義仲の権勢の日が始まったが、武力は憚(はば)かられても野人ぶりはからかわれ、後白河法皇の政略に斃れる。無垢な武将の鮮烈な人間性を描く表題作等、史上の英雄8人を描く傑作短編集。 作者:杉本苑子 出版社:講談社 ジャンル: 書籍/ 文芸/ 歴史・時代小説 埠頭の風 幕末から明治の激変期を、熱く描く短編集。日本を追われたシーボルトが、許されて再び長崎港の岸壁を踏んだとき、娘お稲の胸中には……。文明開化の日本人と、訪れてきた異邦人との愛憎を描く傑作短編他。 作者:杉本苑子 出版社:講談社 ジャンル: 書籍/ 文芸/ 小説(国内) 虚空を風が吹く 江戸、芝居町の雀はおもしろ尽に囁きあった。「妾のたたりだぜ。きっと」……おたふく半四郎、目千両と人気の女形(おやま)四世岩井半四郎の怪死に始まる、大和屋を次々襲う、おぞましくも奇怪な事件……。舞台の花の陰にうごめく女と男の愛憎をミステリアスに捉えた標題作ほか、「かえる役者」「祇園ぎつね」「団十郎の死」「手前味噌」。歌舞伎界の裏を縦横無尽に描いた役者小説集。 作者:杉本苑子 出版社:講談社 ジャンル: 書籍/ 文芸/ 小説(国内) 孤愁の岸(上) 財政難に喘ぐ薩摩藩に突如濃尾三川治水の幕命が下る。露骨な外様潰しの策謀と知りつつ、平田靭負ら薩摩藩士は遥か濃尾の地に赴いた。利に走る商人、自村のエゴに狂奔する百姓、腐敗しきった公儀役人らを相手に、お手伝い方の勝算なき戦いが始まった……。史上名高い宝暦大治水をグローバルに描く傑作長編。 作者:杉本苑子 出版社:講談社 ジャンル: 書籍/ 文芸/ 歴史・時代小説 孤愁の岸(下) 誰のために? 何のために? 慣れない重労働に、疫病で死ぬ者200名、巨大な権力に捨身の抗議をぶつけて屠腹する者50名。未曾有の難工事は薩摩藩士の死屍累々の上についに完成するのだが――。泥海の中に潰え去った男たちの無念に、平時のいくさの惨酷さを見事に描き切った著者の代表作。 作者:杉本苑子 出版社:講談社 ジャンル: 書籍/ 文芸/ 歴史・時代小説 胸に棲む鬼 志賀島の竜女に恋着された、凜々しい若者の悲劇、奴隷の牧畜を考える冷酷な美女の本性、防人の留守家族に起った戦慄の事件、女奴隷と恋に落ちた高僧の宿業、女の奸計に引っかかり、生霊をとりちがえてしまった傀儡師の嘆き等、奈良、平安朝の下層民の、命のしたたかな強さとあっけない死を語る、傑作短編集。 作者:杉本苑子 出版社:講談社 ジャンル: 書籍/ 文芸/ 歴史・時代小説 続々今昔物語ふぁんたじあ 平安時代の人間像を活写して今に残る「今昔物語」。この古典のこころをとらえて、乱世に躍動する平安庶民を現代に再現、地獄にあっても生きるために知恵を発揮する庶民のしたたかさを追う。どんでん返しを利かせたサスペンス・タッチで描く妖異な世界に、ユーモアたっぷりの掌編も織りまぜたシリーズ第3集。 作者:杉本苑子 出版社:講談社 ジャンル: 書籍/ 文芸/ 小説(国内) 1 2 >